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今日も俺は悪夢に魘される。

「悪夢ですか?」
「君は見るかい?」
「ええ…たまには…」
「そう」


どこにいても、想わずにはいられない。他の男と話をしているだけで引き離したい衝動にかられる。
一分一秒君を独占したくて、気持ちを抑えるのに必死になる。君に嫌われる事を恐れて、君に想われる事を誰よりも望んでいる。
俺の隣にいるのに、近くに感じない。
「好きですよ」
“アメリカさんも”
「大切ですよ」
“アメリカさんも”
「ずっと一緒にいましょう」
“みんなと一緒に”

そう当たり前のように君は言う。俺が欲しいのはそんな言葉じゃない。
“俺だけ”
そう言って欲しいのに、望んだ言葉をくれない。
何も知らないような顔で俺に微笑みかける。
けれど、君は全てお見通しなんだろう?
誰からも愛され、大切に扱われる。それを知っているからなくすのが惜しい。誰か一人に絞ったらきっと離れてしまう者が現れるから。

「アメリカさんは悪夢を見るのですか?」

悪夢と言わずして何と言おう。

「ああ。まさに…」

この現状が悪夢なんだろう。
覚める事のない現実という名の・・・・・・・・・。