朝起きたらあなたの寝顔があって
一瞬思考が止まった後、悲鳴と共に鈍い音が辺りに響く
これが私の朝の始まり
手間のかかる金髪の猫。
名はアーサー。
いつもはあくびをしながらたたみに寝転がり、邪魔だとゴミを払う掃除用のほうきにじゃれついている
「邪魔なんですけど…」
「しかたねぇなぁ」
もう一度あくびをしてしばらくすると部屋から出て行き、しばらくすると戻ってくる。
どこから来てどこに行くのかまったくわからない。
突然やってきて、私の家に住み込んだ大きなネコ。
自由気まま。
「1人楽しいぜー!!」
そう言ってるわりには、いつも私の部屋でごろごろしてるんですけど・・・。
「お前、寂しいの嫌いだろ?」
そう言って毎日布団に入ってくるのだ。
気がつくといる。
いつもいる。
暖かいからすぐわかる。
でも、私はあなたを求めたりしない。
気ままに生きるあなたを求めたら、きっとあなたは離れていくから。
今日も窓の鍵は開けておく。
そっと音がして、そっと布団に忍び込んで。
私を抱いて眠ってくれるから・・・。
「俺はお前を離したりしねぇよ・・・」
小さく耳元で囁かれ、泣きそうになるのをぐっとこらえた。
「・・・おやすみ」
今日も、暖かな夜が過ぎようとしている。