もし、明日地球の最後だとしたら
あなたは誰と過ごしますか・・・・?
「んぁ・・・やっ・・・」
白いベットの上、アーサーと菊がお互いむさぼるような快楽を求め、身体を合わせている。
AM.2:30
「菊・・・」
「ん・・・アーサー…さん・・?・・・あぁ・・・」
BGMでしかないテレビの映像がバラエティー番組を映し出している。いかにも計算しているかのようにはしゃぐアイドルが、都会の町でインタビューをしていた。
「お前の国の番組もくだらないのが多いな」
「ちょっ・・アーサーさん・・・私・・・もう・・・」
涙で目濡らし訴える菊にアーサーはにやりと笑う。くだらない番組よりこっちの方がはるかに良いと、自身を奥深くへと突きいれた。
「あっ!はぁ・・んん・・・」
弓なりにのけぞる菊をしっかりと抱きとめると、そのまま動きを早める。いきなりの事に、大きく目を開きその揺れる瞳から一粒涙がこぼれた。その粒を舐めとってやると、もう一度最奥へと押し入れる。
「やっ・・・そんなに・・・ああん・・・」
「この方が良いくせに」
「そんなっ・・あぅ・・」
明かりはテレビの光と窓の外の満天の夜景だけ。
「っ・・・菊」
「だめ・・・やっん・・ああ!!」
奥へ奥へと激しく揺すぶられ快楽が一気に菊を襲う。アーサーもそろそろ限界とばかりに息を荒げる。獣のような行為に菊は息さえうまく吸う事ができない。
「もう・・だめ・・・いっちゃ・・・んんっ」
異物が入ってくる感覚を確かめながら、お互い息を整える。上下する菊の白肩にアーサーは赤い跡をつけた。
「んっ」
「俺のものだ」
「もう…」
強く握っていたシーツが力が緩まった手の中でしわくちゃになっている。
心地よい気だるさの中、テレビの音だけがあたりに響いていた。
“明日地球が消えちゃうとしたら誰と過ごしたいですかぁ?”
ありえもしないような事を笑いながら質問するアイドルを呆れながらアーサーは見ていた。一方菊はテレビも見る気が起きないのか、ぐったりとアーサーの腕に抱かれている。
“そんなわけで1位は彼氏でしたぁ~!!ちなみに私はファンの皆さんと最後をすごしたいなぁv以上、街角レポートでしたぁ”
「嘘つけ。バーカ」
「え?」
つい口に出した言葉に菊が反応を見せた。
「お前は明日地球がなくなるとしたら誰と過ごしたい?」
きょとんと見上げている菊の髪をアーサーは優しく撫でる。
「・・・聞くまでもないくせに・・・」
「言えよ」
「最期の時はあなたと一緒にいたいです」
「当然だな」
「言うと思いましたけどね」
「俺も、菊とこうして抱き合いながら死にたい」
「抱き合いながらが余計ですよ」
「好きなやつと抱き合って死ねるなら本望だ」
「まったくもう・・・」
アーサーはあきれ顔の菊の唇にそっと指を乗せ、また深くキスをした。
「だめです!私・・・まだ・・・」
さっき行為を終えたばかりなのにと押し戻そうとするが、その抵抗空しく身体中にキスをされる。
「もしかしたら、明日地球がなくなるかもしれないだろ?その前に・・・」
「ちょっ…んぅ」
「死んだ事もわからないくらい気持ちよくしてやるよ・・・」
アーサーはリモコンに手をかけると今は雑音に聞こえるテレビの電源を切った。
「今日は朝までコースだな」
アーサーは菊の耳元で囁く。もう、その声さえ菊の耳に届いてはいない…。
愛しい恋人を抱きながら、今この瞬間の快楽におぼれていった。