私の願いは叶うのでしょうか。
新年をあなたと祝いたいと思う、その願いは…。
忙しいのは知っている。新年を迎える準備でそれどころではないのだ。
現に私も…。
綺麗に片付いた部屋、新年を迎えるためのお飾り、新しい着物。全て終わってすっきりするはずだったのに。
会いたい。けど、言えるわけがない。
もうすぐ日が暮れる。
年が明けたら一番に電話をすればいい。
でも、やはり寂しいから少しだけ思ってみる。
そう、こたつでまどろんでいると足音が近づいてきて、その扉を開ける。私が立つ間もなく襖が開けられ、息を切らせたあなたは申し訳なさそうな顔をして遅くなったなって私を抱きしめる。
目を開いて、少しだけ心が落ち着いた。
妄想力だけは人一倍ですからね。
「そろそろ夕飯の支度を…」
時計を見ながらそう呟く。
遠くから、聞き間違え出ないのなら音がする。
人が駆けてくる音。靴の音。
あ、れ?
「日本!!」
呼び鈴もなく開け放たれた扉。
私が立つ間もなく開かれる襖。
「悪い日本、遅くなった」
申し訳なさそうなあなたの顔。
「あなたは…もぅ・・・」
あぁ、なんて愛おしい。
きっとあなたは私を抱きしめてくれるから、私からあなたを抱きしめよう。
「会いたかったですよ…イギリスさん」
私のありったけの思いを込めて…。