引きこもり歴200年の私にとって、アメリカさんは脅威以外の何者でもなかった。
「開国してくださぁい♪」
「帰ってください」
陽気な外国人なんて、興味もないし、煩いだけ。しかも、自分主義な難題ばかり押し付けて、こっちの話なんて聞こうともしない。その上、要求を呑まないと大変な事になると脅す始末…。本当に勘弁して欲しかった。
そして、そんな衝撃的な出会いから、もう随分時が過ぎようとしている。
「にほーん!!!」
今日もこうしてアメリカさんは私の元を訪れる。
「ホラー映画観よう!!1人じゃムリだから」
「・・・またですか・・・」
これ見た後、1人じゃ寝れないくせに。
「日本が居れば大丈夫!!心強いよ」
「はぁ・・・」
結局ほだされてしまうのは、今も昔も変わらないようだ。アメリカさんは相変わらず強引な所もあるけれど、何故か今まで上手くいっているのは、相性の問題なのか、それとも私が半分諦めているのか。
どちらにせよ、この人といて少しでも楽しいと思えるのだから、私も成長したのだろう。・・・いや、免疫がついたのか・・・慣れたのか?あまり慣れたくないな・・・。
「怖い!!怖いよぉぉぉ」
今日もこうして何事もなく、一日が過ぎる。平和で、とても穏やかな・・・。
「OH-----!!!!」
・・・理解できない所も多々あるけれど、私はきっとアメリカさんの事が好きなんだと思う。